2007年3月号

早いもので今年も3月となりました。この冬は暖冬と言うことで結局観測史上初めて雪のない冬ということになってしまいそうです。(この記事を書いているのは2月26日)これも間違いなく地球温暖化現象の影響によるものなんでしょうね〜。地球温暖化と言えば現在上映されている『不都合な真実』は絶対に観よう、いや、観なくてはならない映画だと友人が言っていました。アメリカの元副大統領アルゴア氏によるドキュメンタリーフィルムなんですが、2050年までに夏の北極海から氷は消え、100万種以上の動植物が絶滅すると予想されています。氷河の流出も過去10年間(!!わ、わ、わずか10年!!)で2倍になっているようです。『我々が置かれている現実に目を向ける為にも是非観なくてはいけない!』とその友人も力説していました。私は劇場では殆ど映画を観ないんですが、この映画は絶対に観ようと思っています。便利さと引き換えに環境を破壊してきた私たちへのつけが回ってきていると言えるとも思いますが、確かにこの数十年間で以前とは比べることも出来ないくらい人間の生活は極めて便利なものとなりました。携帯電話がその際たる例だと思います。今から11年前に契約台数が1千万件だったのが、アイモードが始まった8年前には5千万件を突破し、ついには今年1億件を突破したようです。まさに『1人1台時代』の到来と言うわけです。この8年間で社会の基盤の中心はパソコン、インターネット、携帯電話に移行しました。評論家の柳田邦男さんの著書「壊れた日本人」には21世紀型の負の遺産として『携帯電話/インターネット依存症』が挙げられています。柳田さんによると脳の方向感覚を壊すカーナビ利用と無重力下で平衡感覚の神経細胞を失うイモリの宇宙実験を比較しています。親子関係、教育現場の混乱、少子化問題、凶悪犯罪の多発化、労働環境の変化などの根底に携帯電話/インターネットの爆発的増加との因果関係があることは疑いようがありません。今や1億総携帯電話依存症とも言える状況にあると思います。休日に家族で出かけたすると必ず見かけるのが『親は携帯メールに夢中で子供はゲームに夢中』という親子。「せっかく家族でお出かけなのに何やってんの?」って突っ込みたくなりますもん。ホント、何でも簡単に情報を入手できると言うことは我々から知恵と考える力を失わせていくのではないでしょうか??

池袋有名ラーメン店閉店!!

元祖行列が出来る店として有名な東池袋「大勝軒」が20日に半世紀の歴史に幕を閉じるということです。わたしはサラリーマン時代は池袋に勤務していていたということもあり、何度か通ったことのあるお店です。何しろお昼になると池袋サンシャイン60のすぐ裏手に出現する長蛇の列が有名で、大勝軒に行く時にはいつも同僚たちと示し合わせて11時半くらいには事務所を出ていたことを思い出します。それでもいつも長蛇の列が出来ていていつも300人くらいの列が出来てましたから。ホント食べるまでがひと苦労だったのも良き青春の思い出って感じですね〜。そんな老舗店大勝軒のホームページを見るとこんな言葉が書いてあります。『味は心』。大勝軒のルーツは店主である山岸一雄さんが17歳の時。長野の中学を卒業後上京して旋盤工として働いていた頃に兄貴(坂口正安氏)からラーメンをいっしょにやらないかと誘われたのがきっかけとのことです。その後、阿佐ヶ谷のラーメン店で修行をし、製麺やスープ作りといったラーメンの基本を徹底的に学び、現在の大勝軒の特徴である『自家製麺』『手塩にかけたスープ』の基本を作り上げたそうです。その後、1951年に兄貴とともに独立し、東京中野に『大勝軒』を開店。1954年には代々木上原に「大勝軒」を出店し、以後ここを本店とし中野『大勝軒』が支店として山岸一雄氏に任さられることになり、兄貴がそのエリアにあわせて味を変えていく中、山岸氏は「大勝軒」オリジナルの味を守りつづけました。その後、1961年に現在の地東池袋に東池袋大勝軒を開店。そして山岸氏自身が理想とする味を求め、試行錯誤を続けた結果、現在のつけ麺スタイルを確立したそうです。それ以来半世紀に渡って「おいしいものを腹いっぱいお客さんに食べて満足してもらいたい」「昨日より今日、今日より明日とさらに美味しいものを作りつづけたい」という気持ちで営業を続けていらしたそうです。今回の閉店は自身の健康によるもの店舗出店場所の区画整理による立ち退きという面があるようですが、私は大勝軒といえば今や全国にあるといっても過言ではない全国区なのでフランチャイズだとばかり思っていたら実はそうではなくて、すべてかつての弟子達への暖簾分けによるものなんだそうです!!今では北海道から沖縄、ハワイにまで弟子がいて、暖簾分けした店は100店舗にものぼるとのことです。気になるのはこれだけある弟子達の店の中から「本店」の称号をどの店に引き継がせるのか?ということですね〜。いずれにしましても長年にわたり美味しいラーメンを提供しつづけてくださいましたことに感謝申し上げます。お疲れ様でした。

アサヒ・サッポロ経営統合??ビール業界も大再編?!

ビール類出荷量首位のアサヒビールが、同3位のサッポロビールの持ち株会社、サッポロホールディングスに対して経営統合を提案しているとの噂がまことしやかに流れています。米系投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンドも同日TOB(株式公開買付)によるサッポロの買収を提案しました。サッポロは買収防衛策を導入済みでスティールの買収提案を受け入れる可能性は少ないと思われますが・・・スティールとは1990年代にウオレン・リヒシュタイン氏が立ち上げた米投資ファンド「スティール・パートナーズ」の日本法人。平成13年に設立され、現在はアデランス(保有比率24.69%)三精輸送機(保有比率24.57%)などの大株主になっています。運用資産規模は非公開になっていますが、保有株の時価総額は4000億円規模の模様。スティールは昨年も明星食品に対して敵対的TOBを仕掛けたことが記憶に新しいところです(この時は即席めん大手の日清食品が対抗TOBで応じて日清は明星を子会社化。スティールは日清のTOBに応じて保有するすべての明星株を売却し36億円の利益を取得)。 このようなスティールの動きはグリーンメラー的(標的企業の株を買い集めて、その企業や関係者に高値で買取を迫る業者のこと)と批判されており、今回のサッポロビールへの買収提案も政府及び各界から同様の批判が相次いでいます。一方でホワイトナイト的役割として噂になっているのが渦中のアサヒビール!真偽の程は定かにありませんがアサヒは昨年末に取引銀行を通してサッポロに対して非公式に経営統合を打診したとのこと。商品の共同配送や清涼飲料部門などで提携してから、その後ビール部門を含めた本格的経営統合に進む案が示されたとのこと。サッポロと提携することで規模の拡大と品揃えの強化を図り、シェアで並んでいるキリン社を突き放すのがその狙いと言われていますが、果たして真実は如何に??ちなみに当社を担当していただいているアサヒ、サッポロの営業担当者は口をそろえて「統合は絶対にあり得ません!!」と断言していますが・・・・・・

大丸 松坂屋 経営統合?

アサヒビールとサッポロビールは現在の商売で非常に深く関係している業界の経営統合の話ですが、大丸松坂屋と言う私が以前勤務していた百貨店業界の老舗中の老舗(ちなみに私のサラリーマン時代の勤務先は西武百貨店です)にもそんな話が聞こえてきました。大丸は関西を基盤に300年の歴史を持ち、片や松坂屋は中京地区を基盤にした400年の歴史を持つという共に老舗中の老舗。仮に経営統合が実現したとすると売上高1兆2000億円と言う日本最大の百貨店グループが誕生することになります。老舗中の老舗と言われてきた両社の合併の裏にあるものは果たして何でしょうか?百貨店全体の売上規模はバブル期の1990年に10兆円近くありましたが、昨年は約8兆円となり今後も更に下がりつづけると言われています。国内の小売市場は家電、紳士服、家庭用品などの個別分野の専門店に購買行動は集中し、百貨店の客足は低迷しつづける一方です。更に日本の人口はすでに減少傾向に転じており、購買力は下がりつづけることが明らかです。しかも経営統合によるコスト削減だけでは中々うまくことが進まないのが流通業界の経営統合です。その証拠に私の古巣西武百貨店とそごうの経営統合は売上規模の拡大と言う面だけを残して計画半ばで頓挫し、いまはセブン&アイの傘下となっています。このように商品仕入れや物流の共同化のみのメリットを鑑みた経営統合はうまくいきそうにありません。関西地区においても母体の鉄道会社の統合を導線とした阪急百貨店と阪神百貨店の経営統合が視野に入れられているとのことです。今後も流通業界全体をにらんだ経営統合が進んでいく可能性があります。『強き者はより強く、弱き者はますます弱く!!』いずれの業界も規模の大小こそあれ流れは同じですね〜。

ちょっと気になる外食小ネタ

【呉越同舟】ビール売上喚起!!

ビール大手5社とビール酒造組合は毎年5月下旬を「ビールを楽しむ週間」として今年からイベントなどビール需要を拡大する取り組みを共同で実施することを発表しました。サッポロビール問題など激しいシェア争いをしている各社が共同でこのようなイベント活動に取り組むのはおそらく初めてでないかと思われます。少子化や発泡酒/第三のビールへのシフトチェンジが進む中でビール市場は縮小傾向にあり共同で市場喚起キャンペーンをすることを決定したらしい。今回のイベントはゴールデンウイークをもじって「ビールデンウイーク」(ちょっとださっ)5月24日〜27日まで六本木ヒルズで「ビアフェス2007」を開催。ビアガーデンのほか“利きビール”などのイベントを展開する予定とのことです。

【M&A】「すき家」ゼンショー、サンデーサンをTOB

牛丼チェーン「すき家」を展開する外食大手ゼンショーは「ジョリーパスタ」などを運営する洋食レストランチェーンサンデーサンに対して株式公開買付(TOB)を実施することを発表しました。株式総数の51%獲得をめざし完全子会社化する方針のようです。 サンデーサンは中国地方を中心に「サンデーサン」や「ジョリーパスタ」など334店舗を展開している中堅地場レストランチェーン。ドラえもんを使用したCM“キチンと美味しいキッチン”で有名なココスなどのレストランチェーンを展開するゼンショーは、サンデーサンを子会社化することで原材料の共同調達などの相乗効果が見込めるものと判断した模様。ゼンショーはここ数年でハンバーガーチェーンの「ウエンディーズ」や牛丼チェーン「なか卯」を買収するなど積極的なM&A戦略をとっています。

【高額!!】1本100万円のコニャック発売

アサヒビールは1本100万円のコニャック「ルイ13世ブラックパール」を3月12日に限定発売します。フランスのレミーコアントロー社が自社のコニャックレミーマルタン「ルイ13世」を高級クリスタルブランドバカラ社製クリスタル素材のボトルに詰め、世界限定で786本をシリアルsりで販売します。このうち60〜70本をマキシアムジャパンが日本に輸入し、アサヒビールが国内販売します。完全予約制で申し込み期間は3月7日まで。

【新商売】セブンイレブン 老人ホームへ出張店舗

セブンイレブンジャパンはグルメ枡屋が運営する老人ホーム「グルメ枡屋社会貢献の家」に出張販売をはじめます。(今や介護事業は色々な業種が参入していますね〜。意外なところでは紳士服のAOKIとか)近接する和菓子や生活雑貨などの商品を選び、施設内で入居者向けにミニ店舗を設ける。すでに数店舗で実験をはじめており、結果次第では本格導入を目論んでいます。おそらく人件費等を考慮するとセブンイレブンとしては収支の採算は合わないが、地域サービスが他店との差別化につながると判断した結果のことだと思われます。顧客のすそ野拡大に加えて高齢者の商品需要情報の吸い上げと言ったソフト面での貢献も視野に入れていると思います。