2005年4月号

イヤー盛り上がってますねー!!何がってサッカーのワールドカップ最終予選です。昨日の対バーレーン戦の平均視聴率が40%を突破したとどこかの新聞が書いていましたが、もはやサッカーは紅白歌合戦を超える国民的行事となってますねー。サッカー観戦歴20年の私からみると隔世の感があるここ数年の盛り上がり方です。なんてったって20数年前は日本リーグにまったく観客が入らず、現在日本サッカー協会の要職についている釜本選手が全裸でポスターになったり、明石家さんまや漫画家の望月某(夕陽丘の総理大臣とかの漫画を描いていた漫画家の方だと思うんですが。。。)さんらが国立競技場でサッカーの試合やったりして集客していたくらいですから。お隣の韓国も首位で折り返しましたし、このままの勢いで6月のアウエ−の2試合も乗り切ってもらいたいものです。がんばれニッポン!!(そうは言いつつも飲食店の皆様にとってはテレビ観戦を売りにする場合を除いて営業面では苦戦を強いられますが。。。。。)

「つきじ植村」高級路線で復活目指す!!

2004年8月に民事再生法を申請した老舗割烹「つきじ植村」が高級路線復活で経営再建を目指しています。高級感ある懐石料理という原点回帰で復活への足がかりを模索しています。

つきじ植村再建にはマンション分譲のゴールドクレスト社が全額出資するサクセスファクトリーを通じて再建策に乗り出しています。サクセス社が選択した再建案は@「高級感あふれる懐石料理としゃぶしゃぶ」という原点回帰をするA従業員に今一度接客業としての意識改革を訴求することの2点に集約されています。つきじ植村は1928年の創業以来、高級懐石としてのブランドイメージを前面にかがげていたにもかかわらず、近年は目先の売上高を確保する為に半額セールを繰り返し、結果的に低価格競争に巻き込まれていました。民事再生法の適用に伴い、サクセス社は運営会社植村フーズを設立して59店舗のうち52店舗を20億円弱で継承しました。黒字店舗の収益をバブル期の債務返済にまわしていた状態から解消させ、創業者一族の植村社長をトップに据えることで、従業員の不安を取り除くというソフトランディング路線を選択しました。つきじ植村は一般の外食チェーンと異なり、各店舗を店長や料理人が取り仕切る独立経営に近い体制をとっているので急激な店舗削減や人員整理は従業員のモラル低下を招くと判断したようです。但し、メスを入れたのは老舗ゆえに凝り固まった報酬体系や接客サービスの見直しでした。報酬面では単月ベースの売上管理制度の導入や目標達成に応じた表彰制度や賞与制度の復活を基軸にすることでモチベーションアップを図り、接客面では『店長も飲み物の追加オーダーを取りに行く』『名刺をもらって案内状を出す』等の基本動作の徹底見直しをすることで意識改革と顧客アンケートや日報制度の導入なので顧客の声を聞き取る仕組みを取り入れました。このような経営改善の結果は既存店売上高前年比7〜8%増という結果が示している通り、サクセス社の取ったソフトランディング路線はまずまず成功といった様相です。銀座地区に今春開業する予定の新店舗で新生「つきじ植村」の真価が問われそうです。サクセス社は企業再生をメインに買収を進めており、つきじ植村も転売目的ではなく中長期に支援することが目的ということです。創業一族の植村社長のコメント「資金繰りに追われなくなり、やっと新メニューの開発に注力できるようになった」このコメントこそが老舗復活のキーワードでしょう。

消える『滝沢』消えぬ伝説・・・ ・

45年間にわたって愛されつづけ、3月末に全店舗を閉店した談話室滝沢。飲み物は何でも1000円、何十年ぶりに入っても変わらぬ店内、滝沢のウエートレスは全寮制らしい、などの都市伝説を生んだ老舗喫茶店の閉店の真相は?

ソファから椅子、床まで癒し系の薄緑に統一された店内は、日本庭園風で小さな滝に鯉の泳ぐ沢まである。蛍光灯に照らされる店内は時の流れを感じさせない何ともいえない不思議空間でした。初めて談話室滝沢に入ったのは今から20年前の浪人生活の時でした。ウエートレスが全員和服だったのとコーヒーが1000円なのに目が点になってしまったことを思い出します。滝沢のウエートレスの接客態度はもはや伝説とかしています。注文はメモを取らず、誰が何を頼んだかまで記憶し、言葉遣いは簡潔かつ丁寧。あまりにも隅々まで行き届いた教育に『宗教的なにおいを感じる』との噂まで広がりました。そんな宗教的な噂の根源となった全寮制の真偽についてはすべてホントウだということです。創業以来、社長は『滝沢がお客様に売るものはコーヒーではなく、社員の人格、礼儀作法の販売である』という滝沢の経営方針をかがげ、社員となったウエートレスは基本的に全員社員寮で生活させていたということです。寮生活には情操教育の一環として華道、茶道、書道や琴などの課外授業もあったということであり、会社というよりはむしろ学校という感じでした。元来、東北6県、新潟、長野の高校生を新卒採用していましたが、大学や専門学校に進学する学生が増えた点や地元に就職する学生が増えたことも寮の廃止に繋がったということです。現在4店舗に働く約100名のウエートレスのうち実に80%がアルバイトということです。もっともアルバイトとはいえ滝沢の経営方針のお目にかなうのは100人中3人程度という超狭き門。このような現代っ子の増加により滝沢の“ココロ ” がわかる女性の採用の確保が難しくなったことも閉店の理由かもしれません。閉店が決まってからはウエートレスOGが大挙して訪れ、毎週末はさながら同期会の様相ということでした。

健全すぎて魅力減?歌舞伎町地価ダウン・・・・下落率3位に

国土交通省が発表した公示価格で日本最大の歓楽街である歌舞伎町が都内区部の商業地で下落率ランギンク3位になり不人気ぶりが目立つ形となりました。

3月23日に発表された公示価格で「歌舞伎町 2-21-6 」は1平方メートルあたり130万円で、前年比5 . 1%減、築地同5 . 6%減、日本橋兜町同 5.4 %減に続く下落率第三位となりました。歌舞伎町の同住所は韓国クラブなどが入居したテナントビルがあり、キャバクラ、ホストクラブ、ラブホテル街に近接した繁華街の真っ只中。歌舞伎町では近年、外国人勢力による不法な営業や過剰な客引きから、危険な街とされていて、これに真っ先に反応した石原慎太郎東京都知事による<浄化作戦>により東京都は昨年12月からキャバクラや性風俗店への客引きを全面的に禁止する条例を制定し、さらに4月1日から歌舞伎町などを禁止地域に指定して、勧誘目的の客待ち行為を禁じる東京都迷惑防止条例を施行する予定でいます。

ちょっと気になる外食ニュース

<データ>男性人口が初の減少

2004年10月1日現在の推計人口を総務省が発表。国内総人口1億2768万7千人、0 . 05%増。戦後最低の増加率。65歳以上の構成比19 . 5%で0 . 5%増。男女別では男性6229万5千人、9千人減少。女性6539万2千人。7万6千人増加。男性が減り女性が増えている。

<データ>県民所得格差が5年ぶりに拡大

2002年度分を内閣府が発表。全国平均は291万円、1 . 2%減。1位東京都で408万円、1 . 7%減。2位愛知県で342万円、0 . 5%増。3位静岡県で322万円、1 . 6%増。大阪府は8位で303万円、0 . 6%減。東京都への一極集中の流れに愛知県が一石を投じた形。

<FC>韓国料理カムジャダンを FC 展開

韓国ですでに165店舗を展開しているイバドムが日本でも独自に FC 事業を開始する。『カムジャダン』はジャガイモと骨付豚肉を煮込んだ鍋料理。2005年に直営、 FC 併せて15店の出店を予定。チムニ−がメニュー開発、人材で協力する。

<買収>篠崎屋が乾麺メーカーから営業譲渡

宮城県の白石興産から営業譲渡をうける。同社は明治19年創業の乾麺メーカー。昨年2月に民事再生手続きが決定。篠崎屋は豆乳を練りこんだ乾麺を開発する目算。全国に約160店舗を展開する『三代目茂蔵』の商品ラインナップを広げる。篠崎屋はベンチャーリンクがFC本部を務め、酒販店をターゲットに副業としての豆腐販売を勧めている。

<戦略>松屋がカット野菜を量販ルートで販売

松屋が本年1月に稼動させた富士山工場で製造。富士山の豊富な地下水を活用して、出荷時点で野菜細菌数を抑え、賞味期限を長くした。業務用、家庭用の両市場でドレッシング10種類も合わせて発売。店舗でもサラダキャンペーンを3〜4月に実施中。牛丼チェーンでつちかった松屋ブランドで食品メーカーとしても事業拡大を狙う。